日々様々なブログを読んでおりますが、今回は少し思うところがあってこのブログを書きます。
批判をしている訳ではありませんが、事実誤認があるので訂正したい気持ちにかられました。
ブログのリンクは貼りませんので、分からない人には意味が分からない文章かと思いますがお許しください。

医者に患者の延命をするかどうかの決定権はありません。
延命だけでなく手術、投薬など治療を受けるかどうかの決定権はすべて患者側にあります。
医療を受けるかどうかの決定権自体も患者側にあります。
応召義務といって医師は患者の診察を理由なく断ることはできませんし、実際には理由があってもそうそう断れません。

その中で延命というのは極めて重要な判断であり、当然患者が決めることですが、延命判断が必要な時に患者自身は危篤状態にあるため自分で判断できる状態にはありません。
だから家族あるいはキーパーソンとなる方に「どうされますか?」とお伺いを立てます。
徐々に「自然に任せます」という方が増えてきましたし、世の中の空気もそうなりつつあり良い傾向だと個人的には感じています。
しかし、医者の言い方ひとつで家族の決断を左右することもある程度可能です。
「救える命だ。歩いて帰れる可能性がある」と考えれば、「もういいです」という家族を説得して治療に入る可能性もあります。
当然逆も然りです。
決して「見殺しにするかどうか決めろ」という意味では言いません。

また大橋巨泉のニュースで医療用麻薬にネガティブな意見があります。
麻薬のせいで死んだと。
副作用に呼吸抑制があるのは事実です。
大橋巨泉は実際に医療用麻薬の過剰投与で死んだのかもしれません。
しかし、それは医療用麻薬自体が悪いのではなく適切な管理ができていなかった医師、薬剤師の責任です。
医療用麻薬は疼痛だけでなく呼吸困難の緩和など終末期ケアに欠かせません。

「医療用麻薬 寿命」と検索してみてください。
「適切に」医療用麻薬を使えば寿命が縮むことはありません。
実際にがん患者の痛み方を見ると分かります。
現に私が診ている方でも、痛みで寝たきりだった方が医療用麻薬で適切な疼痛コントロールをした結果、今では畑仕事をやっているという方がいらっしゃいます。(田舎なのがばれてしまいますね)

がんの痛みは想像を絶するものだと思います。
医療用麻薬によってそうした方々のADLを改善し、生きる希望を与える場合があるという事実は認識していただきたいです。


延命のこぼれ話として、延命装置をつけると身体障害者に該当する場合がほとんどなので、医療費は無料になります。
自己負担として差額ベッド代等が発生しますが、障害年金が支給されるのでそちらでお釣りがきます。
そういう状態になるのは、だいたいからして無理にでも延命を希望する家族ですのでそうした「ボーナス」が入ると「とにかく長生きさせて欲しい」と言ってきます。 
患者さん自身を見ていて悲しくなりますが、そうした方も世の中には一定数いらっしゃいます・・・。

社会保障費の抑制が叫ばれていますが、医療現場としては大いに賛成です。
救急車の有料化、自己負担の増加、受診時の定額負担、全然怖くありません。
本当に医療が必要な患者さんで支払い能力がある方だけでも手一杯ですので・・・。 
看護師の給料も高いですよね、大学病院にお勤めの先生方の薄給で日本の医療は成り立っていますよ。 
読んでいただきありがとうございます。クリックで応援よろしくお願いします。
にほんブログ村 株ブログへ
にほんブログ村