月末から月初にかけて少し気分が憂鬱になります。
なぜならば「返戻」を処理しなければならないからです。

医療機関の事務系職員にとって「レセプト」は最も重要な仕事です。
医療費の話なる時に、私たち現役世代は3割、70歳~74歳は2割、75歳以上は1割 負担で済んでいるということはご存知かと思います(高齢者の負担割合は所得に応じて3割の場合もあります)。
では、残りの7割、8割、9割はどこから入るの?という話ですが、国民健康保険(国保)と社会保険支払基金(社保)からいただくことになっています。
そのためには「レセプト」というものを翌月10日までに提出する必要があります。
国保と社保の支払原資は私たちが毎月納める健康保険料と国債でまかなわれています。
日本の財政は火の車で、その根源は社会保障費というのは毎日のようにニュースで流れています。
財政均衡論者からすれば、まさしく「諸悪の根源」でしょう。

そうは言いつつも、医療機関も「レセプト」を出さなければご飯も食べれないので、毎月出さざるを得ません。
では、医療機関から請求された「レセプト」はフリーハンドで請求額通り振り込まれるのか?
というとそういう訳ではありません。
過剰請求や不正請求をする不貞な輩がいないか国保と社保で点検します。
そして、おかしいところがあった場合に、「おたくここ間違えてませんか?」と「レセプト」を送り返してきます。
これが冒頭紹介した「返戻」というやつです。

ほとんどの医療事務は過剰請求や不正請求をしようなどと考えていません。(稀にそういう人もおり、同業ながら恥ずかしい限りです) 
では、なぜ「返戻」が生じるのか。
一番の問題点としては、・請求ルールが多岐に渡るということがあると思います。
不勉強と言われればそこまでかもしれませんが、診療報酬の請求規則は膨大な量になるので、すべてを覚えるのはマニアな方だけで、分からないことがあれば「点数本(請求のルールブックのようなもの)」を都度調べるというのが一般的です。

「返戻」になってしまうと、再請求するという手間もありますが、何より審査が一月遅れになってしまし、入金が遅れるというのが気が滅入る原因です。
日々現場で一生懸命診療されている先生方へ申し訳ない気持ちになってしまいます(ここまで責任を感じる事務員はそんなにいないし、数件の返戻で文句言うような医療機関はブラックなので転職をすすめます)。

そして、今はまさに「返戻」のシーズンです。
通知書は書留で来るので、郵便局員が来るたびにドキドキしてしまいます。

それでは、今月も頑張っていきましょう。 
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